研究業績 報告
佐渡一成 多焦点眼内レンズは保険診療に含めるべきか?
日本の眼科80 1645,2009
佐渡一成 眼科医療の地方格差解消をめざして
日本の眼科80 303-306,2009
佐渡一成 根強く残る「目が悪くなる」という誤解の解消を
日本の眼科79 1649-1650,2008
佐渡一成 宮城県眼科医会学校保健委員会
日本の眼科79 303-304,2008
佐渡一成 沢内村での白内障手術 -遠隔地へ出かけての内眼手術-
あたらしい眼科25 123-127,2008
佐渡一成 沢内村における眼科診療(保育所検診)
順天堂医学52 114-114,2006
佐渡一成 コンタクト診療に関する基礎知識の浸透度
宮城県眼科医会報104 25-29,2006
佐渡一成 近視は「悪い目」?「病気」? 日本の眼科76 65,2005
佐渡一成 視力Ⅰ 視力とパフォーマンス、眼鏡、コンタクトレンズ 臨床スポーツ医学21 541-547,2004
佐渡一成 ディスポーザブルあるいは頻回交換ソフトコンタクトレンズ
(SCL)の不良品について
日本の眼科74 573-576,2003
佐渡一成
大谷園子
池田敏春
須田志優
眼科ショック対策システムの提案 日本の眼科74 219-221,2003
佐渡一成 照準線共軸型遠近両用ソフトコンタクトレンズ購入者に対する
アンケート調査結果
日コレ誌44補遺 S21-S26,2002
佐渡一成
小渕輝明
金井淳
宇野憲治
上園里望
涙点プラグ挿入後にSCL装用が可能になった
クレー射撃オリンピック候補選手 
眼科43 433-436,2001
佐渡一成 目から鱗? 他科領域にかかわる<涙>の現代病の話 順天堂医学45 124-125,1999
佐渡一成
小野浩一
堀川沙紀
小淵輝明
金井淳
コンタクトレンズ長期装用者の角膜内皮細胞変化についての一考察 あたらしい眼科15 1371-1377、1998
佐渡一成 地方の一般病院におけるロービジョンケア 日本の眼科68 1163-1169,1997
佐渡一成 運転免許取得時の視機能検査に対する疑問および問題点 日本の眼科67
1287-1290、1996
佐渡一成
平塚義宗
荒木ひろ美
篠原泉
篠原光太郎
学校保健の盲点と思われた片眼外傷後無水晶体眼の1例 眼臨 228-230、1996
佐渡一成
金井淳
臼井正彦
崎元卓
澤充
木下茂
増田寛次郎
角膜移植術における発酵法ヒアルロン酸ナトリウム(PROVISC)の
臨床評価
眼臨 1855-1858、1994
佐渡一成
金井淳
中島章
佐古博恒
清水公也
シード社製紫外線吸収後房眼内レンズ
(SC-10PB,SJ-10PB)の臨床評価
眼臨
2427-2434、1993

「読者の広場」への投稿  根強く残る「目が悪くなる」という誤解の解消を

眼が悪くなった」という患者さんの訴えを聞かない日はありません。 検査後に「眼は悪くなっていないですよ。 少し変化しただけで心配なことは何も起きていないです」と答えることがほとんどです。
「眼が悪くなる」という誤解には、2つあるようです。
1つは、近視や乱視などの度数(屈折度)が変わったために遠方を見るときの裸眼視力が低下した場合です。 身長や体重同様、眼の屈折度も一生同じではありません。成長期に身長が伸びるように眼の屈折度も変化し、 近視眼の大多数は度数が増える傾向にあります。赤ちゃんのほとんどは遠視ですが、 眼が大きくなるに従い遠視の度数は小さくなります。成人までに日本人の約8割は近視になると言われています。 眼が大きくなることに伴う度数の変化は、 遠方の裸眼視力の低下となって現れるために「悪くなった」と思い込んでしまうようです。 因みに遠方の裸眼視力は1.0未満でも近方は1.0ということはよくあります。 眼鏡やコンタクトレンズを装用したときの視力(矯正視力)が1.0以上であれば正常です。 矯正視力は正常なのに「悪くなった」と思い込んでしまっている人々が圧倒的に多いのです。 屈折度の変化という正常の経過を何十年も「悪くなった」と誤解したままなのです。 現在、中学校の理科では「映像の光刺激が、網膜の視細胞で電気刺激に変えられ、 大脳の後頭葉(視覚中枢)まで伝達された結果として見えている」という高度な知識を教えているにも関わらず、 視力という基本部分が誤解されたままという現実が残念です。
2つめは、「機器の使用を含め、眼を使うことによって眼が悪くなる。 あるいは眼の疲労は眼を悪くする」という誤解です。 こちらには「テレビを見ると眼が悪くなる」「暗いところで本を読むと眼が悪くなる」などという類が含まれます。 「教科書(パソコン)は良いが漫画(テレビゲーム)は眼を悪くする」にいたっては親の思惑が見え隠れしています。 テレビゲームやパソコン作業などによる疲労が一時的にピントを合わせる力を弱めて老視に似た状態を引き起こすことはありますが、 「眼を酷使すると眼が悪くなる」という風評に科学的な根拠はありません。 中には「眼が悪くなる」と心配する心理につけこんで商品を売り込んでいるものも少なくないようです。 拡大鏡などの機器(視覚補助具)を使用すれば本や新聞、仕事上の書類の読み書きが可能になる視覚障害者も少なくありません。 機器を使用すれば墨字(点字に対して通常の文字のことを墨字といいます)を使った勉学や仕事が十分可能なのに、 「機器を使うと、あるいは疲れると眼が悪くなる」からと、点字を習得させられていた事例もありました。 小児でこのようなことが行われてしまうと墨字が見えても読めないおとなになってしまうのです。 これは人為的にハンディキャップを作っているようなもので、このようなかたの社会に出てからの苦労は想像を絶します。 第17回視覚障害リハビリテーション研究発表大会でも、 「眼を使うことは眼を悪くしないので安心して眼を使って良い」という心理的サポートと、 「できるだけ疲れないような眼や機器の使い方の啓発」という技術的サポートの普及が重要だということが改めて確認されました。
正しい知識は、自分や家族の状態を正しく理解し、判断を誤らないために必要です。
正しい知識が普及されないまま「目が悪くなる」という誤解が居残り続けている現状は早急に改善すべきです。
この文章を、患者さんたちの誤解解消のツールとしてご活用いただければ幸甚に存じます。